呼吸器内科 前期研修「2年目」

肺という臓器は機能低下が直ちに命に関わる重要臓器であるだけに、呼吸器内科医は非常にクリティカルな現場で必要とされます。一方で、呼吸器感染症、喘息などのアレルギー疾患、喫煙にともなうCOPDなどの疾患、睡眠障害などについては、日本だけでそれぞれ数百万人の患者さんがおり、専門医としての対応が求められます。さらに、日本の医療政策が在宅医療に向けて大きく舵をとるなか、在宅高齢者に頻発する肺炎などの感染症、在宅緩和医療、呼吸管理を含めた終末期医療において呼吸器内科医が果たす役割はますます大きくなっています。このように、集中治療の現場からクリニックの外来診療、在宅医療まで、呼吸器内科医へのニーズはどんどん高まっています。
 さらに呼吸器内科医は、臓器別悪性新生物の中で死亡原因第1位である肺癌の、診断から治療、緩和医療までの全ての段階で大きな役割を果たしています。小さな病変をも見逃さない画像診断能力、気管支鏡などの正確な検査スキル、外科手術・放射線・化学療法などの治療コーディネーターとしての役割、分子標的薬も含めてどんどん多様化する治療薬の中から個々の患者さんに合った適切な治療を選択する腫瘍内科医としての能力、そして緩和医療の担い手としての役割など、学ぶことはたくさんあります。

 このような専門性の高い呼吸器内科専門医の養成は、入院診療と外来診療、専門医取得、そして臨床研究とその学会・論文発表を組み合わせたプログラムによって行われます。

◇臨床研修の特徴

  • 1)多様な呼吸器疾患を診ることが出来るハイブリッド型の大学病院研修
    一般に大学病院の呼吸器内科では、肺癌をはじめとする呼吸器腫瘍と間質性肺炎などの難治性肺疾患が入院患者の大多数を占め、一方で市中病院での呼吸器内科で研修すると肺炎や気管支喘息、COPDなどのcommon disease患者を診ることが多くなります。東海大学病院での呼吸器内科研修ではその両方を診ることが出来るよう、神奈川県央部・西部の呼吸器疾患診療の拠点として難治性肺疾患が集中し、かつ救命救急センターや大規模ICUを具えて急性期疾患を多数扱っている付属病院と、地域に密着した市中病院としての機能を併せ持つ大磯・八王子病院での研修を組み合わせて行います。また、呼吸器内科のトレーニングにおいて外来診療のスキルも欠かすことができません。後期研修2年目からは自分で外来を担当し、喘息・COPD患者の管理などを行ってもらいます。

  • 2)専門医取得のための近道
    日本呼吸器学会専門医とがん治療認定医は東海大学の呼吸器内科で後期研修を受ける先生方には必ず取得してもらっています。さらに呼吸器内視鏡専門医、アレルギー専門医のいずれか、あるいはその両方を取得できるよう、必要な臨床トレーニングを提供しています。もちろん、大磯・八王子病院での研修期間中も専門医としての研修が継続できます。

  • 3)大学病院ならではの研究の醍醐味
    研究は学位を目指す人だけのものではありません。もちろん研究のために臨床をおろそかにすべきではありませんが、患者さんを通じて学んだことをきちんと形にまとめ、深く考察し、多くの人に認めてもらえるような形で発表することは、臨床医としての技量を高める大事なプロセスと考えています。大学院コースを選択しなかった方にも研究の面白さを実感してもらい、臨床研修と両立しうる研究プログラムを提供します。現在研修している人達も後期研修1年目から学会や論文発表に積極的にチャレンジしています。
    大学院コースを選択した方にはさらにチャレンジングなテーマでの研究が可能です。臨床助手コースからの途中変更も歓迎です。国内・国外留学も含めて様々なチャンスが待っていますので、積極的に挑戦してみて下さい。奨学金なども含めて、様々な形でサポートします。

◇3-5年目の到達目標

  • 専門医受験に必要な代表的呼吸器疾患、手技を経験する。
  • 各呼吸器疾患の診断と治療プロトコールを理解し、入院および外来で実践する。
  • 肺癌の標準的治療(化学療法、放射線療法、緩和医療など)を習得する。
  • 呼吸器内科専門外来における診療技術を習得する。
  • 気管支鏡の技術を習得する。
  • 画像診断(胸部エックス線写真、胸部CT)の技術と知識を習得する。
  • 肺機能検査の結果を解釈する技術を習得する。
  • 外来化学療法のプロトコールを理解して安全に施行する。
  • 前期研修医ならびに医学部学生の指導をする。
  • 論文の作成(和文、英文)と学会発表(国内、海外)を行う。

◇ローテート研修の特色

代表的な呼吸器疾患について、内科専門医としてきちんと診断と治療方針を立てられるようになることを目指し、日本呼吸器学会指導医のもとで研修を行います。診療チームは、准教授・講師クラスのアテンディング医師、卒後10-15年目のチームリーダー、卒後4-9年目のスタッフ医師、専攻医、前期研修医から構成され、クラークシップの学生(医学部5-6年生)が加わります。後期研修医はチームの研修医・学生を指導しながらスタッフ医師のアドバイスのもとに診療に従事します。サブスペシャリティ研修期間はチームリーダーのサポートのもとでスタッフ医師として働くことになります。
 全ての専攻医が履修することが望ましい2か月間の基本コースと、呼吸器領域に含まれる様々なサブスペシャリティ、アレルギー、腫瘍医学、睡眠医学、呼吸器内視鏡、などの専門医取得を見据えた4〜6か月間の応用コースを準備しています。例えば気管支鏡検査は、呼吸器疾患診断のための重要な検査の1つですが、診断に至る経路は個々の症例で千差万別です。そのため多数症例で、1)事前に病変への具体的なアプローチを検討、2)実際に検査を担当、3)検査結果をどう治療に繋げていくかを考える、という一連の流れを反復することで、気管支鏡検査に習熟するだけでなく、呼吸器疾患の診断、治療を考える力を身につけます。呼吸器内視鏡(気管支鏡)専門医を申請するためには、日本呼吸器内視鏡学会認定施設または関連認定施設で100例以上の経験(術者として20例以上)が必要です。学会認定施設である当院の年間検査件数は450例を超えており、週2回の検査に参加することで、資格取得に必要な症例数のほとんどを経験することができます。また、専門医申請に必要な日本呼吸器内視鏡学会学術集会での学会発表も経験することも可能です。
 東海大学医学部付属病院では、コモンディジーズから希少疾患、急性疾患から慢性疾患まで、あらゆる呼吸器疾患を経験できます。医学部創立当時から医学教育に情熱を注いできた伝統を引き継いで、呼吸器内科スタッフは臨床現場での教育を重視しています。何よりも皆さんに、呼吸器病学の面白さ、醍醐味を味わってもらうことがスタッフの願いです。

◇週間スケジュール

グラフ

第2、第4土曜日、日曜はOn call体制

◇教育研修機関

  • 日本呼吸器学会認定施設
  • 日本アレルギー学会認定教育施設
  • 日本睡眠学会睡眠医療認定医療機関
  • 日本呼吸器内視鏡学会認定施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設
  • 日本感染症学会研修施設

◇研修プログラム終了後の進路

  • 本研修を修了した者は、原則として東海大学医学部職員(助教)として採用
  • 勤務先:東海大学医学部付属病院(伊勢原、八王子、大磯、東京)
  • 神奈川県立または静岡県立がんセンター、神奈川県立循呼センター(間質性肺疾患)、相模原病院(アレルギー)などへの国内臨床留学も積極的にサポートします
東海大学医学部内科学系
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